miyan(みやん) vol.10 (ルックル)

miyan(みやん) vol.10 (ルックル) page 41/52

電子ブックを開く

このページは miyan(みやん) vol.10 (ルックル) の電子ブックに掲載されている41ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
miyan(みやん) vol.10 (ルックル)

V I K I N G R E S T A U R A N T Y U M E N O K U N I天ぷらの由来  世界でも国内でも、日本料理の代表的な料理とされる「天ぷら」。文献上に初めて登場するのは、1669年(寛文9年)の食道記である。語源には諸説ありポルトガル語からの説。スペイン語、イタリア語からの説。テンペラという絵具に由来するという説。テンピュラリ(天火揺らり)を語源とする説など、歴史ある日本料理の一つです。  現代の天ぷらの形が出来上がったのは、江戸時代前期で、江戸を中心に江戸屋台として広まったと言われています。本物との出会い  私が「天ぷら」に出会ったのは、若干18歳の頃で鹿児島から上京し、東京の老舗天ぷら店での修業時代でした。初めて口にした「江戸前天ぷら」の驚きの美味しさは今でも鮮明に覚えています。  この素晴らしい天ぷらを「いつかは、鹿児島で」という強い決心をした瞬間でした。江戸前を極める  「天ぷら」を揚げるには「油」「ネタ」「粉」「温度」が大切であり、難しくもあります。  「油」は、サラダ油と胡麻油を極めて絶妙な割合で混合します。そのバランスが油切れのいい、カラッとした天ぷらを生み出す要因の一つです。  「ネタ」は、鮮度が命である事は勿論、さばき方、油への入れ方で美味しさが変わります。  「粉」は、冷水、卵、小麦粉を溶きますが、溶きすぎ、溶かなすぎもダメです。  最後に「油の温度」ですが、一定の温度に保つことが必要です。しかしこれは使用する油の種類でそれぞれ違い、一般的に家庭でも良く使われる「白絞油」などは油が焦げにくく、比較的揚げやすくなっています。  しかし、使いやすい反面、衣が油を吸いやすく、重たい天ぷらになってしまいがちです。  江戸前天ぷらで使われている胡麻油は、実は「温度」が上がりやすく、下がりやすいという特徴があるため、温度を一定に保つ事が非情に難しく、まさに暴れ馬のような性格をもった胡麻油を、繊細な火加減で操る事が出来た時に、初めて「油切れのいい天ぷら」が完成するのです。本物を届けたい  現在、私は夢の国で料理長を努めておりますが、この店はランチをメインに近隣のお客様向けにランチバイキングをご提供するとともに、ホテルにご宿泊なさるお客様の朝食、夕食をご提供するお店でもあります。  近隣にお住まいの方、また全国からお見えになるお客様全ての方々に本物の「天ぷら」をお届けしたいと常々考えております。  ここ鹿児島では、全国でも有数の「優れた食材の宝庫」と言われるように天ぷらのネタも豊富で、山の幸では、「タラの芽」「ふき」「つくし」「ふきのとう」「菜花」など。また、海の幸では桜島を囲む錦江湾で獲れる魚介類をはじめ、「穴子」「はも」「きびなご」「キス」「車海老」など、数え切れないほどの素晴らしい恵みがたくさんあります。  夢の国では、胡麻油を使用してこの素晴らしい食材を「天ぷら」にしてご提供し、お客様に本物の味わいを喜んで頂きたいと願っております。一生修業 30年間、料理人として天ぷらを揚げ、自分自身が納得のいく「天ぷら」をお客様にお出ししていますが、さらに研鑚を重ね、究極の「天ぷら」をめざし精進して参ります。  料理人である我々は、調理場に立てなくなり引退するまでは「一生修業」であると私自身考えております。ホテル京セラ 別館1階  バイキングレストラン   「夢の国」   料理長  瀬  戸   護                          (1965年生)  霧島市にあるホテル京セラのバイキングレストランの料理長を務める瀬戸さん。巷に氾濫するバイキングレストランにおいて、本物の天ぷらが食せるという事で、密かに人気を博している「夢の国」の料理長に、この度お話を伺いました。  天ぷらを揚げながらインタビューに答えて下さった瀬戸さん。料理には、その方の人柄が表れます。「お客様に喜んで頂きたい」その一瞬の笑顔の為に精力を傾ける姿を…バイキングレストラン「夢の国」で…。ホテル京セラ 別館1階バイキングレストラン「夢の国」(営業時間) ランチ 11:30~14:30 ディナー 17:00~21:00    (ラストイン/20:00)(定休)第2火曜日 ※但し8月は無休霧島市隼人町見次1409-1TEL 0995-43-7616MAP:H-1341